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2005-11-03

林檎の樹

タルトタタン

「タルトタタン」・・・ ★★

アン・プチ・パケ

林檎が実る時期になると読み返したくなる小説がある。
ゴールズワージーの『林檎の樹』だ。
初めて読んでから、もうどれ位経つのだろう。
とにかく情景描写が豊かで、頁の中で時間がゆったりと流れている。
何度読み返してもその美しい表現は色褪せることなく、まるでその場面を描いた絵画を観ているようだ。
だがその内容は、表面的な美しさと対照的で痛々しいほどせつない。

アン・プチ・パケの「タルトタタン」は、噂通りレベルが高かった。
キャラメル特有の苦さはそれほど強くないが、その分林檎の酸味が程よく味わえる。
勿論シャキシャキとした歯応えもきちんと残っている。
バター風味たっぷりのパイ生地は、林檎と別に食べても十分満足できるくらい美味しい。
遥々来た甲斐があった。

ギリシャ神話では、理想郷の証でもある林檎の樹。
それは、求めても手に入らない、戻ることもできないものとされている。
自分の中に林檎の樹の存在を認めた時から、そんなことは百も承知なんだけどね。

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by ゆう

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